2016年5月23日月曜日

Raspberry PiでPIXELAのLTE対応USBドングルを使う方法


PCではSIMの設定だけで使えたUSBドングルですが、Raspberry Piで使うにはOSの設定変更が必要でした。
備忘録を兼ねて変更内容を共有します。

使ったもの

  • PIXELA LTE対応USB PIX-MT100(説明書に従い、PCでSIMの設定は済ませておきます)
    楽天の販売ページ


    2021.01.06追記
    新しくMT110が出ているので、そちらを購入しても良いかもしれません。

    上記のドングルを作っているPIXELA(ピクセラ)の最新商品の情報は、オンラインショップの通信機器一覧で確認できます。
  • Raspberry Pi B+
  • Raspberry Piに接続するモニタとキーボード または Raspberry Piに挿入するSDカードを編集できるPC
  • (ssh接続をしたい場合)Raspberry Piとssh通信できるようにしたPC
  • 電力を供給できるUSBハブ
    これこれに給電しながら使うと、ドングルの動作が安定すると思います。

設定方法

USBドングルを認識させる

usb0として認識されたUSBドングルを動作させるために、Raspberry Piの「/etc/network/interfaces」に下記の設定を追加します。
/etc/network/interfaces
auto usb0
iface usb0 inet dhcp

設定を追加できたら、最起動するか下記のコマンドを実行します。
sudo /etc/init.d/networking restart

うまくいけばusb0を通してipアドレスが割り振られます。
pi@raspberrypi ~ $ ifconfig
(中略)
usb0      Link encap:Ethernet  HWaddr 1e:49:7b:54:58:fc
          inet addr:192.168.0.14  Bcast:192.168.0.255  Mask:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:221 errors:0 dropped:5 overruns:0 frame:0
          TX packets:103 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:1000 
          RX bytes:49580 (48.4 KiB)  TX bytes:11724 (11.4 KiB)

これでネットに繋がると思います。

Raspberry Piとsshで通信できるようにしていたPCをUSBドングルのwifiに繋げば、sshでの通信もできました。
ssh pi@102.168.0.14


USB給電のアンペアを上げる

接続はできたのですが、Raspberry Piからの給電では電力が足りないのか、通信を重ねるとUSBドングルが再起動してしまいます。

「/boot/config.txt」に「max_usb_current=1」の記述を追加することで、Raspberry PiのUSB端子から供給される電力量を上げられるので、記述が無いときよりドングルは安定します。
/boot/config.txt
max_usb_current=1

しかし、それでもたまにドングルが最起動して、Raspberry Piがドングルを認識できなくなることがあります。
そのため、動作を安定させたい場合はUSBハブなどを利用して給電することをお勧めします。

以上です。
参考になれば嬉しいです。

余談

ちなみに、インターネットに繋がれば、(かつ、情報漏えいを気にしないデータを扱うのであれば)ngrokというプログラムを使うと、インターネット経由でsshログインできます。

固定ipが無いmvno配下のraspberry piに、ngrokで割り振られるurlでsshログインする方法

気になる方はお試しください。

参考

Automatically connect a Raspberry Pi to a Wifi network
RPi Setting up a static IP in Debian
なってこった max_usb_current=1
Raspberry Pi Model B+のUSBポートに1.2Aの電力を供給する

変更履歴

2018.03.08
余談としてngrokの紹介を追加しました。
2019/03/14
商品購入ページのリンクを追加、変更しました。
2021/01/06
USBハブがリンク切れになっていたので修正しました。
MT110の情報と、ピクセラの商品一覧ペーチのリンクを追加しました。

6 件のコメント :

haya さんのコメント...

ありがとうございます!
助かりました。Pixelaのサイトにもデバイス特有の設定情報、接続方法などが書いてなく、困り果てていました。
こういう情報(↓)もあり、試してみましたが、うまく行きませんでした。
http://qiita.com/gimy/items/1d49f8e08210e9c9f20a

ここでは/etc/wvdial.confを書き直す、という方法が書かれていますが、こういうことをする必要はなかったのですね。
本当に有用情報でした。

Asuki Kono さんのコメント...

コメントありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです(^-^)

ずぶの素人 さんのコメント...

PIXELAとraspberry piでググッてましたら、辿り着きました。
ずぶの素人ですが、宜しければ教えていただけないでしょうか?
写真のようにUSBで接続した場合、raspberry piが無線ルータとして振舞うのでしょうか?実は写真のようにして、現場の監視カメラを外部から見たいのです。raspberry piの設定は何とかなりそうですがPIXELAの機能上、難しいのでしょうか?大変恐縮ですがよろしくお願いします。

Asuki Kono さんのコメント...

コメントありがとうございます。
分かる範囲でお答えします。

無線ルーターとして振る舞うのは、raspberry piではなく、pixelaの方です。
pixelaのドングルは、SIMを設定して電源さえ確保すればインターネット接続可能な無線ルータになります。

現場のカメラの画像を見るには、二つの方法を自分は思いつきます。

一つは、raspberry piで取得した情報をどこかのサーバーにアップロードして、そのサーバーのデータを確認する方法です。

もう一つは、IPが固定されたSIMを使い、pixelaのドングル経由でraspberry piに直接アクセスしてデータを確認する方法です。

いかがでしょう?

ずぶの素人 さんのコメント...

asuki様、早速の返答ありがとうございます。
貴重な情報、本当に助かります。
pixelaのメーカーに聞いても、これといった情報が得られなかったもので、問い合わせた次第です。
固定ipのsimでテストしてみます。
すいません、本当にありがとうございました。

Asuki Kono さんのコメント...

お役に立てたなら嬉しいです。
うまくいくといいですね。