試行錯誤な日々: FreeCADで設計して板金加工をミスミに依頼してみた

2020年2月16日日曜日

FreeCADで設計して板金加工をミスミに依頼してみた

背景

FreeCADとはオープンソースの3D CADソフトです。
ミスミとは、業者向けの部品発注や加工を請け負う商社です。

ミスミには3Dデータ(STEPファイル)をアップロードしたら板金加工の見積もりと発注を行えるmeviy（メヴィー）というサービスがあるので、FreeCADでデータを作って注文してみました。
備忘録を兼ねて取り組んだ内容を共有します。

使ったもの

FreeCAD

この記事ではバージョン0.18.4を利用しました。
FreeCADは下記のページからダウンロードできます。

FreeCAD Select your platform

ミスミのアカウント

ミスミの板金加工サービスに対してファイルのアップロードと見積もり結果の参照を行うには、ミスミのアカウントが必要です。
業者向けとなっていますが、個人事業主として登録する際の屋号の入力は任意なので、良し悪しは分かりませんが屋号を登録していなくても会員登録すれば利用できます。

会員登録するのは全て法人か個人事業主となることで、ミスミの取引は特定商取引法などの消費者保護規定で保護されないものになるようです。

会員登録したら、下記のページから3Dファイルをアップロードできる状態になります。
https://meviy.misumi-ec.com/ja-jp/fa/mypage

3Dデータを設計

許容誤差や注意点は下記のページに示されています。

板金加工品の加工条件と精度規格 | ミスミ
板金品（レーザー加工品）の加工仕様・加工限界 | ミスミ

曲げR（半径）として 1, 1.5, 2, 3, 4, 6 mmの6種類を利用できるようだったので、今回はRを3mmとして下記のようなデータを作ってみました。

FreeCADの操作方法は本家のページや有志の方が共有されているチュートリアルを参考にしてください。（自分は後者をひと通り行ったことで概要を把握しました。）

FreeCADには板金加工のアドオンがありますが、図面を元にデータを作りたかったため今回はそれを使用せずに作成しました。

作り方の大まかな流れはこちらです。

SketcherでYZ面に厚み2mm、曲げ半径3mm、高さ30mm、幅66mmの断面を作ります。

Partの押し出しで長さ110mmにします。

SketcherでXY面に削除範囲を指定します。

押し出しで高さ30mmにします。

XZ面でミラーリングして、ミラーリングしたものとミラー元を結合(Fusion)します。

Partの減算を適用し、不要な部分を削除します。

XZ面にSketcherで位置を指定し、上下に引き伸ばし、差分を行い横穴を空けます。

XY面にSketcherで位置を指定し、引き伸ばし、YZでミラー、差分を行い縦穴を空けます。

PartのFilletで角を丸めます。

データの大まかな作り方は以上です。

3Dファイルをエクスポート

エクスポートしたい3Dデータを選択状態にして、ファイル->エクスポートを選び、STEPファイルを出力してください。

参考: FreeCADでSTLやSTEP形式のファイルを出力する方法

3Dファイルをアップロード

meviy(メヴィー)のマイページからSTEPファイルをアップロードします。
（アップロード画面を開くには、会員登録してログインが必要です。）
https://meviy.misumi-ec.com/ja-jp/fa/mypage

作成したSTEPファイルをアップロードして、板金加工を選ぶと3Dビューと見積もり画面を表示できる状態になります。

キリの良い大きさの穴はネジ切り設定になってることがあります。
設定変更したい場合は、図面かツリービューの該当する穴をダブルクリックすると画面が開いて加工の種類を変えられます。

穴の種類や材質を変えると見積もり額が未計算状態になりますが、見積もりボタンを押すと価格と工数が表示されます。

今回は全て通し穴、SUS304で2440円と作業日数3日を注文しました。