2016年8月12日金曜日

KiCadでピンヘッダの付きの回路を作る方法


背景

公式ドキュメントだけでは詰まったので、メモを残します。
もっと良い手順があれば、教えていただけると嬉しいです。

なお、基本的な操作はKiCadのドキュメントを参考にしてください。

KiCadことはじめ

全体像

この流れで説明します。
  1. KiCadプロジェクトを作る
  2. ピンヘッダのシンボルを読み込む
  3. ピンヘッダを利用した回路を作る
  4. シンボルとフットプリントを紐付ける
  5. 回路からNetlistを出力する
  6. Netlistを利用してPCBにフットプリントを取り込む

KiCadのプロジェクトを作る

今回は「~/kicad_projects/」というディレクトリを作り、その中に「simple_led」というプロジェクトを作成します。

ホームディレクトリにKiCadプロジェクト用のディレクトリを作ります。
mkdir ~/kicad_projects

※ KiCad v5からプロジェクト作成時に専用のディレクトリも作ってくれるようになったため、その手順に合わせました。v4を利用する場合は、プロジェクト用のディレクトリを手動で作成してください。

KiCadのプロジェクトの新規作成ボタンをクリックします。


「~/kicad_projects」にsimple_led_pcbというプロジェクトを作ることにして、OKをクリックします。


こうすることで、KiCadはsample_led_pcbというディレクトリを作成して、その中に関連ファイルを配置してくれます。

プロジェクトができました。


このsimple_led_pcbというプロジェクトを編集しながら説明を進めます。

ピンヘッダのシンボルを読み込む

シンボルとは回路図で使う記号のことです。
ライブラリから読み込むかファイルから読み込むことで、シンボルを利用できます。

ライブラリから読み込む方法

KiCad5のUbuntu版の場合は、インストール時にライブラリも読み込まれるため、何もしなくてもピンヘッダの回路ライブラリを使えます。

ライブラリが読み込まれない場合は、下記の記事を参考に、githubで管理されているライブラリを読み込むようにすると、使えるようになると思います。

KiCAD5にgithubのライブラリを紐付ける方法

ファイルから読み込む方法

ピンヘッダに関してはライブラリの利用で済むと思いますが、ライブラリに無いデータの取り込みたいときの参考になったら良いと思うので、ファイルから読み込む方法も紹介します。

下記のライブラリを利用させてもらいました。
ピンヘッダに関するzipファイルをダウンロードしてください。

解説ページ: Kicad Electronic CAD libraries
ダウンロードリンク: Connectors

プロジェクト作成時に作ったディレクトリ「~/kicad/simple_led_pcb」に「libraries」というディレクトリを作成し、その中でダウンロードしたzipファイルを解凍します。

コマンドで操作する場合、下記のようになります。
mkdir ~/kicad/simple_led_pcb/libraries
mv ~/Downloads/lib_w_connectors.zip ~/kicad/simple_led_pcb/libraries
cd ~/kicad/simple_led_pcb/libraries
unzip lib_w_connectors.zip

zipを解凍するとw_connectors.libというファイルができます。
そのファイルを下記の操作でkicadに認識させると、ピンヘッダの回路が利用できるようになります。

回路編集ボタンをクリックして、回路エディタを開きます。


Preferences -> Component Librariesを開きます。


Component libraries filesのAddをクリックして、ライブラリへのパスを追加します。


パスを選んでOKをクリックしてください。


Component libraries filesの画面を下にスクロールすると、追加されたパスを確認できます。
追加できたらOKをクリックして、ライブラリの追加を終わります。


これでピンヘッダが回路で利用できるようになったはずです。

ピンヘッダを利用した回路を作る

回路作成モードで、部品マークを選択します。


部品マークを選択した状態で図面をクリックすると、部品選択モードになります。


「header」と入力するとヘッダピンが出てきます。


今回は4*1のピンを選びました。


使いたいピンヘッダを選んでOKをクリックすると、図面に設置できます。


これで、ヘッダピンを利用した回路が作れます。
なお、先頭にも書きましたが、基本的な操作は公式ドキュメントをご参照ください。

KiCadことはじめ

1番ピンに5V、4番品にGNDを接続すると、LEDが点滅する回路を作りました。


この回路をベースに、説明を進めます。

シンボルとフットプリントを紐付ける

PCB作成の楽をするために、シンボルとフットプリントを紐付けます。

回路の編集画面で、Tools -> Assign component footprintを選択します。


部品番号を割り振ってよいか聞いてくるので、OKを選択して先に進みます。


配置した部品のリストが表示されます。
リストは、左側がシンボル、右側がフットプリントを意味します。


下記のようにシンボルとフットプリントを紐付けました。

LED -> LEDs:LED_0805
HEADER_4 -> Pin_Headers:Pin_Header_Straight_1x04
R -> Resistors_SMD:R_0603_HandSoldering


View selected footprintボタンをクリックすると、フットプリントを確認できます。


紐付けができたら、保存して紐付け設定画面を閉じます。

回路からNetlistを出力する

シンボルとフットプリントの紐付けができたらNetlistを出力します。

回路編集画面で「net」ボタンをクリックします。


Generateをクリックします。


「~/kicad/sample_led_pcb/simple_led_pcb.net」を作成します。


Netlistが出力できたら、フットプリントの作成に移ります。

Netlistを利用してPCBにフットプリントを取り込む

KiCadのトップメニューでPCBマークをクリックして、PCB編集画面を開きます。


「net」ボタンをクリックします。


先程作成したNetlistがファイルパスとして指定されている状態で「Read Current Netlist」をクリックします。


Messatesにログが表示されたら、フットプリントが出力されているはずです。


Netlist画面を閉じて、フットプリントを確認します。
編集画面の状態によっては画面外にあったり、フットプリントがとても小さかったりするので、拡大縮小や画面の移動をしてみてください。


これ以後のPCB作成方法は、公式ドキュメントをご覧ください。

KiCadことはじめ > 4.プリント基板のレイアウト > 4.1.Pcbnew の使用

自分が詰まった部分の解説は以上です。
単語の間違いや、別の良い操作方法などがありましたら、ご指摘ください。
この情報が何かの役に立てば嬉しいです。

参考

Importing Libraries into KiCad
Going from Schematic to PCB Layout in KiCad (using Cvpcb)

更新履歴

2018.04.07
KiCad5に合わせて、プロジェクトの作成方法を変更しました。
記事中の「回路部品」という単語を「シンボル」に置き換えました。
KiCad5ではネットリストをPCB編集画面に読み込んだ際に部品が最初から重ならない状態になったので、バラけさせる手順を削除しました。

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