2018年3月30日金曜日

KiCAD5にgithubのライブラリを紐付ける方法


背景

KiCADとは基板の設計ができるプログラムです。
Windows, Mac, 複数のLinuxディストリビューションなど、多くのOSに向けてリリースされています。

Download | KiCAD EDA

そのKiCADには、4種類のライブラリが提供されています。

  • 回路部品(シンボル)
    回路図を作るのに使います。
  • フットプリント
    回路部品と紐付ける半田面であり、基板に配置する部品です。
  • 3Dモデル
    完成予想を表示するのに使います。
  • テンプレート
    ArduinoやRaspberry Piなど、メジャーなボード向けの基板レイアウトが既に作られているプロジェクトです。

Ubuntu17.10で確認したKiCAD5にはこれらのライブラリが含まれていましたが、githubで管理されている最新版ではありませんでした。
そのため、最新版のライブラリを利用したい場合は、githubのライブラリを紐付ける必要があります。
(Nightly Build(開発版)には、これらのライブラリは含まれていません。)

備忘録と情報共有を兼ねて。githubのライブラリをKiCADと紐付ける方法を紹介します。

全体像

  1. 使ったもの
  2. ライブラリをダウンロード
  3. パスを設定
  4. 設定ファイルを置き換え
  5. ライブラリのアップデート
  6. まとめ
  7. 参考

使ったもの

KiCAD5

プリント基板を設計できるプログラムです。

Windows

記事を書いている時点では、Windows用のKiCAD5がまだリリースされていません。
そのため、この記事の方法でライブラリを利用したい場合は、Windows用のnightly build版を使ってください。

Mac

記事を書いている時点では、Mac用のKiCAD5がまだリリースされていません。
そのため、この記事の方法でライブラリを利用したい場合は、Mac用のnightly build版を使ってください

Ubuntu

KiCAD5をUbuntu 17.10で動かしました。

git

gitとはバージョン管理プログラムです。
KiCADのライブラリはgitでバージョン管理されています。
ライブラリはzipファイル形式でもダウンロードできるのですが、gitを使っておくと下記のような利点があるので、この記事ではgitを使います。
  • ライブラリのバージョンアップがzipファイルを使うより楽
  • KiCADのライブラリとして自分の作った部品を公開したいと思ったときに、zipファイルより行いやすい

欠点としてはコマンド操作が必要になることですが、パスの取得やファイルの移動などはコマンドの方が手軽な場面もあるので、初めての方も試してみる価値はあると個人的に思います。

ということで、それぞれのOSでのgitの設定方法を説明します。

Windows

下記のサイトからgit for Windowsのインストーラをダウンロードして、インストールします。

GIT for Windows

この記事で説明するファイル操作に関するコマンドは、このgit bashで実行できます。

下記のコマンドをgitbashに入力すると、gitのバージョンを確認できます。
git --version


Mac

デフォルトでインストールされているので、ターミナルにコマンドを入力することで利用できます。

下記のコマンドでバージョンを確認できます。
git --version


Ubuntu

ターミナルで下記のコマンドを実行すればgitをインストールできます。
sudo apt install git

下記のコマンドでバージョンを確認できます。
git --version



ライブラリをダウンロード

下記のコマンドで、ディレクトリ(gitprojects)の作成と、ライブラリファイルのダウンロードを行います。
「--depth 1」は、最新版だけをダウンロードするためのオプションです。
mkdir ~/gitporjects
cd ~/gitprojects
git clone https://github.com/KiCad/kicad-symbols --depth 1
git clone https://github.com/KiCad/kicad-footprints --depth 1
git clone https://github.com/kicad/kicad-packages3d --depth 1
git clone https://github.com/KiCad/kicad-templates.git --depth 1

パスを設定

KiCADを起動し、Preferences -> Configure Paths を選択します。


パスの設定画面が出るので、それぞれのライブラリをダウンロードしたパスを設定(コピーしてペースト)します。


KICAD_TEMPLATESに設定するテンプレートディレクトリのパスは、下記のコマンドで確認できます。
cd ~/gitprojects/kicad-templates/
pwd

KICAD_SYMBOL_DIRに設定する回路部品ディレクトリのパスは、下記のコマンドで確認できます。
cd ~/gitprojects/kicad-symbols/
pwd

KISYS3DMODに設定する3Dモデルディレクトリのパスは、下記のコマンドで確認できます。
cd ~/gitprojects/kicad-packages3D
pwd

KISYSMODに設定するフットプリントディレクトリのパスは、下記のコマンドで確認できます。
cd ~/gitprojects/kicad-footprints/
pwd


設定ファイルを置き換え

KiCAD5では、回路部品一覧をsym-lib-tableで、フットプリント一覧をfp-lib-tableで管理しています。
ダウンロードしたライブラリにそれらのファイルが含まれるので、そのファイルへのリンクを作り、KiCAD読み込ませるファイルを更新します。
ファイルのコピーではなくリンクの方が、ライブラリを更新した場合に一覧ファイルも自動的に更新されるので、便利だと思います。

注意: Windowsの場合は、gitbashでlnコマンドは実行できますが、ファイルがコピーされるだけでリンクにはなりません。
そのため、ライブラリを更新するたびに設定ファイルも置き換えるのが良いと思います。

既にファイルがあってリンクが作れない場合は、ファイル名を変えてバックアップするか、ファイルを削除してください。

バックアップ
mv ~/.config/kicad/sym-lib-table ~/.config/kicad/sym-lib-table-back
mv ~/.config/kicad/fp-lib-table ~/.config/kicad/fp-lib-table-back

削除
rm ~/.config/kicad/fp-lib-table
rm ~/.config/kicad/sym-lib-table

ライブラリのファイルへのリンクを作成
ln -s ~/gitprojects/kicad-symbols/sym-lib-table ~/.config/kicad/
ln -s ~/gitprojects/kicad-footprints/fp-lib-table ~/.config/kicad/

KiCADを再起動すると、設定したパスやファイルから、ライブラリが読み込まれます。

ライブラリのアップデート

git pullを実施することで、ダウンロードしたライブラリをアップデートできます。
cd ~/gitprojects/kicad-symbols/
git pull
cd ~/gitprojects/kicad-footprints/
git pull
cd ~/gitprojects/kicad-packages3D/
git pull
cd ~/gitprojects/kicad-templates/
git pull

設定ファイルをリンクでなくコピーしていたり、Windows(ファイルのリンク機能が使えない)を使っている場合は、設定ファイルも再度置き換えてください。

KiCADを再起動すると、更新したライブラリを読み込むと思います。

まとめ

KiCAD5にgithubのライブラリを紐付けることができました。

参考になれば嬉しいです。

参考

KiCad Libraries
Download Libraries

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