2023年3月19日日曜日

KiCadにfreeroutingをプラグインでインストールして自動配線


背景

基板設計プログラムKiCadと組み合わせて使える自動配線プログラムfreeroutingの更新確認のためリポジトリを確認したら、KiCad6で2021年10月頃(該当コミット)からプラグインとしてダウンロードして使えるようになっていると分かりました。

これまでのjavaコマンド実行に比べて便利だったので使い方を紹介します。

使ったもの

KiCad 6.0.11
この記事ではKiCad6で動作確認していますが、プラグイン機能はKiCad7でも継続していると思うのでKiCad7でも使えると思います。

プラグインとしてfreeroutingをインストール

freeroutingのKiCad利用者向けの設定方法とほぼ同じです。

KiCadのプロジェクトメニュー画面でツール->プラグインとコンテンツマネージャーを選びます。


freeroutと検索するとfreeroutingが出てきます。
「インストール」と「変更を適用」を押すとインストールできます。


freeroutingの起動方法

PCBエディターを開いたままプラグインをインストールした場合はプラグインが読み込まれないのでPCBエディターを再起動してください。

freeroutingのボタンを押すとfreeroutingが起動します。


ボタンが無い場合はPCBエディターの設定 -> 設定で設定画面を開き、アクションプラグインのページの該当するプラグインの「ボタンを表示」を有効にすると表示できます。



ボタンを利用せずにプラグインを実行する場合は、ツール->外部プラグイン->使いたいプラグイン名(今回はfreerouting)を選んで実行できます。


freeroutingで自動配線

PCBエディターからfreeroutingを呼び出して自動配線してみます。

不要な配線が基板上にある場合は広域削除機能で消せます。
PCBエディターで編集->広域削除を選び、「配線とビア」を有効にしOKを押すと既存の配線が消えます。



freeroutingのボタンを押すと起動して自動配線されます。



配線が済むか、freeroutingでは配線できない箇所があると自動配線画面が閉じて配線結果がPCBエディターに反映されます。


配線の確認と修正

未配線の確認はKiCadのDRC(デザインルールチェッカー)を使うのが便利です。
DRCボタンを押して画面を開きます。


「DRCを実行」を押して確認処理を走らせたら「未配線のアイテム」タブを確認します。
ここに表示されるものは未配線なので、手動で繋げます。


PCBエディターを十分拡大した状態で問題の行を押すと、問題箇所に表示が移って探しやすいです。


freeroutingが無理と主張しても、他の配線を移動すれば結線可能な場合が良くあります。
この辺はfreeroutingの性能向上を期待します。



DRCの「未配線のアイテム」が0になれば、とりあえず良しです。
「違反」は時々意図しない結線や配線を指摘してくれるので、「コートヤードのオーバーラップ」(部品が近すぎる)以外の問題は解消しておくのが自分はお勧めです。

下記の違反はfreeroutingによって固定周辺のネジが来る部分に配線している指摘です。
freeroutingは固定穴の扱いと部品が密集している部分の微妙な配線移動が苦手な印象です。


おわり

プラグイン版freeroutingを利用して自動配線できました。
コマンド版に比べて手間が減って嬉しいです。

参考

freeroutingのgithubのリポジトリです。
freerouting - github

プラグインなどのアドオンに関するKiCadの説明です。
KiCad Addons | Developer Documentation

アドオン情報を管理するKiCadのgitlabのリポジトリです。
KiCad / KiCad Addons / Package Metadata

0 件のコメント :