2016年9月18日日曜日

ホットプレートを改造してリフローマシンを作る方法


プリント基板の実装を行うために、リフローマシンを自作しました。
試行錯誤の成果を共有します。

ヒーターを使いますので、改造や試行錯誤はご自身の責任で気をつけて行ってください。

使ったもの

リフローマシンの材料です。
合計6160円でした。


使った道具

作成に利用した道具を紹介します。
  • ハンダゴテ
    電子部品の組み立てとリフロー中の部品の位置調整に利用しました。
  • ドライバー
    電子部品の取り付けと、ホットプレートの分解に利用しました。
    ホットプレートのネジが硬いので、大きくて回しやすい+ドライバーがあると便利です。
  • テスター
    レギュレータによって12Vから5Vが作られているかの確認に利用しました。
  • ラジオペンチ
    リフロー中の部品の位置調整とリフロー後の基盤の移動に利用しました。
  • フラックス
    酸化した基盤の金属面を綺麗にするのに使いました。

全体像

下記の順に説明します。
  1. 熱電対の設置
  2. ホットプレートの電源の改造
  3. 回路作成
  4. プログラム作成
  5. リフローの実施
  6. 余談

熱電対の設置

動作温度を制限するために、熱電対をホットプレートに取り付けて温度を計測できるようにします。

まず、熱電対のアンプモジュールを組み立てます。


今回利用するアンプモジュールとプローブのコネクタは合っていないため、プローブのコネクタを分解します。


細いプレートの付いているワイヤーが+です。
自分は見分けがつくように+側を赤く塗りました。


+と-のワイヤーを丸めて、アンプモジュールに接続します。


熱電対を取り付けるために、ホットプレートを分解します。


金属のカバーを外したら、シースヒーターとサーモスタットが出てきます。
このホットプレートは190℃が最高温度として売られているため、このサーモスタットは190℃で動作するものと推測できます。
リフローのためには240℃位に加熱したいため、このサーモスタットは外します。


サーモスタットを外したネジに熱電対プローブの先端を取り付けます。


ホットプレートの電源の改造

リレーでホットプレートの電源を操作する仕組みを作ります。

まず、リレーモジュールを組み立てます。
信号線を取り付けやすくするために、自分は信号側をピンソケットにしました。


ホットプレートのスイッチを外して、ケーブルをリレーに接続します。
信号が来た時だけ通電して欲しいので、COMとN.O(normaly open)に接続します。


リレーでON OFFの制御が出来るようになりました。


回路作成

このような回路を作りました。


実際に組むとこうなりました。


省スペース化のため、熱電対アンプモジュールの下も配線しています。


プログラムの作成

熱電対モジュールのライブラリとサンプルプログラムがあったので、それらを利用してプログラムを作成しました。

Arduino IDEのライブラリマネージャを開きます。
日本語版: スケッチ -> ライブラリをインクルード -> ライブラリを管理
English: Sketch -> Include Library -> Manage Libraries


ライブラリマネージャで「Adafruit MAX31855 library」をインストールしてください。


ホットプレートの温度が240℃を超えたらOFFにするプログラムを作りました。

citcuit_heater
#include <SPI.h>
#include "Adafruit_MAX31855.h"

#define DO   3
#define CS   4
#define CLK  5
#define RELAY_PIN 6
Adafruit_MAX31855 thermocouple(CLK, CS, DO);

void setup() {
  pinMode(RELAY_PIN, OUTPUT);
  Serial.begin(115200);
 
  Serial.println("start circuit_heater");
  delay(500);
}

void loop() {
  Serial.print("Internal Temp = ");
  Serial.println(thermocouple.readInternal());

  double c = thermocouple.readCelsius();
  if (isnan(c)) {
    Serial.println("Something wrong with thermocouple!");
  } else {
    Serial.print("C = ");
    Serial.println(c);
  }

  if ( c > 240 ) {
    digitalWrite(RELAY_PIN, LOW);
    Serial.println("heater off");
  } else {
    digitalWrite(RELAY_PIN, HIGH);
    Serial.println("heater on");
  }

   delay(1000);
}

熱電対の測定値が240℃になった時に、リレーが動作してホットプレートがOFFになれば成功です。

リフローの実施

半田の山で部品がうまく置けなかったり、ヤニが着いて部品がハンダに付かなかったりするので、クリームはんだの利用をお勧めします。
クリームはんだをお持ちの方はこちらのサイトが参考になると思いますので、宜しければご覧ください。

Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置(1号機)の製作(3)

クリームはんだがないので、ハンダゴテでハンダを盛りました。


ハンダを盛れました。


ハンダを盛れたら部品を置きます。
細かくて数が多い、なかなか大変な作業です。

部品を置いたら、基盤をホットプレートに移します。


そのまま加熱すると熱が逃げるので、ダンボールで蓋をして加熱しました。
火事の恐れがあるため、加熱中は側を離れないのが良いです。


240℃になったらリレーが動作して、ホットプレートがOFFになります。

OFFになったら基盤の様子を確認して、部品が期待通りにくっついていればリフローマシンの電源をOFFにします。

基盤が良さそうだったら、ラジオペンチでホットプレートからダンボール等に移動させて冷まします。


動作確認をして、期待通り動けばリフロー成功です。
期待通りに動かなければ原因を調査し、ハンダゴテか再度リフローで修正してください。

余談

期待通りのリフローが出来るまでに思っていたより苦労したので、苦労した点をまとめます。

リレーがオーバーヒートするとOFFにならなくなる

下記のSSRを使うと、熱暴走してOFFにならなくなります。

ソリッド・ステート・リレー(SSR)キット 25A(20A)タイプ
ソリッド・ステート・リレー(SSR)キット 8Aタイプ


今回の用途で利用するのは危険です。

基盤は300℃で溶け始める

300℃で基盤は溶け始めます。
危険ですし部屋がプラスチック臭くなるので、250℃位を加熱の上限にすることをお勧めします。


280℃位に加熱した基盤はハンダが付きにくくなる

金属部分が酸化するためか、280℃位に加熱した基盤にはハンダが付きにくくなります。


こうなった場合、フラックスを使えば付きやすさが改善されます。


何とか付けられました。


フラックスを使わなくても良いように、250℃以下でのリフローをお勧めします。

ヤニでコーティングされると基盤と部品がくっつかなくなる

小さな部品のハンダがヤニで覆われると、部品と繋がらなくなります。


この場合は、ラジオペンチなどでやさしくヤニを削り落とすと改善されます。


力技なので、他に良い方法があれば教えていただきたいです。

ハンダが溶けきらないうちに部品を引っ張ったり、ハンダゴテで引っ掻いたりすると、金属部分が剥がれる

基盤の金属面に無理な力を加えると剥がれてしまいます。


面積が狭い部分ほどやさしく扱うことをお勧めします。


試行錯誤の内容は以上です。
間違いなどがありましたら、良かったらご指摘ください。
この情報が何かの役に立てば嬉しいです。

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