背景

興味があるライブラリをDocker環境でテストしていたところGUI（画面表示、x window）が必須なプログラムが含まれていて困りましたが、調べて試行錯誤したらDockerのコンテナでGUIが必要なプログラムを動かせました。
備忘録として設定方法を記事に残します。

動かす対象 ubuntuコンテナ上のgedit

下記のDockerfileでgedit（文章編集プログラム、テキストエディタ）をインストールしたubuntuコンテナを作成し、geditを起動してホストOSに表示します

Dockerfile

FROM ubuntu:22.04
WORKDIR /app
RUN ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
RUN apt update
RUN apt install -y gedit

hostがubuntuのときにtimezoneの設定でコンテナのbuildが止まってしまったので、/etc/localtimeに地域情報を入れています。

参考
Docker Build中に Configuring tzdataでハング
Ubuntu 20.04のdocker build時にタイムゾーン選択を求められた時の対処メモ

環境

Dockerfileを配置したフォルダに移動してコンテナをbuildします。
コンテナのタグはubuntu-geditとしています。
このコマンドは一度実行すれば良いです。

docker buildx build . -t ubuntu-gedit

x windowのlocalからの接続を有効にします。
このコマンドはログインの度に実施が必要です。

xhost +local:

hostと接続しつつDISPLAYという変数をhostと同じ値に設定してコンテナのgeditを実行します。

docker run --net host -e DISPLAY -it ubuntu-gedit gedit

期待通りubuntuのhost上でubuntuコンテナのgeditを実行できました。

環境

スタートメニューからdocker desktopを選択して実行してください。
docker desktopを動かしておかないとpower shellでdockerを実行してもデーモン不在で動きません。
この手順はログインの度に必要です。

dockerを動かしたらDockerfileを配置したフォルダに移動してコンテナをbuildします。
コンテナのタグはubuntu-geditとしています。
このコマンドは一度実行すれば良いです。

docker buildx build . -t ubuntu-gedit

スタートメニューからXLaunchを実行します。
設定を聞かれますが標準設定で問題ありません。
この手順はログインの度に必要です。

power shellでhostと接続し、DISPLAYとして「host.docker.internal:0.0」を渡し、コンテナのgeditを実行します。

docker run -e "DISPLAY=host.docker.internal:0.0" --net host -it ubuntu-gedit bash -c gedit

期待通りに動きました。

dockerのコンテナ上で動かすGUIプログラムをhostの画面に表示して実行できました。
今までGUIのプログラムはdockerの外で開発するしか無いと思っていましたが、この仕組みを使えばGUIプログラム開発にもdockerを使えて便利な場面がありそうです。
更にwindowsでも